サッカー留学の裏話 ~FootBrainから~
こんにちは。
11月に入りましたね。
日本はかなり気候が冷え込んでいるようですが、こちらバルセロナはさすがというか日中は少し暑いなと感じる日もあります。
それでも夜はさすが冷え込むので日中との寒暖の差がとても激しいです。
2週間ほど前は寒くなったり、また夏に戻ったんじゃないかというくらい暖かくなったりわけのわからない気候で少し体調を崩してしまいましたが今は全快です。
さて、今日は先日のFootBrainでも話題になった「サッカー留学」についてお話してみたいと思います。
番組の内容は、リンクを動画で貼っておきますので割愛させていただきます。
http://www.dailymotion.com/video/x16q070_20131102-footxbrain_sport?search_algo=2
内容をまとめると
海外留学は良い、海外留学には新たなチャンスがある、選手として成功しなくても人間として成長できる、海外留学に損はない(マイナス面も得となる)、語学を覚えることができる etc
といったところでしょうか。
しかし、海外留学のメリットはこれだけではありませんので、それをお伝えしたいと思います。
僕が思う海外での生活のメリットの一つは「出会い」です。
それは、私生活においては世界中の国に友人ができることです。
旅行に行って現地を案内してもらったり、現地人しか知らないレストランに連れていってもらったりすることができるのは人生にとってはとても良いことだと思います。
では、サッカーに関しての出会いとはなんでしょうか?
まずは、現地の人たちとの出会いです。現地人の有能な指導者と出会い勉強をすることができます。
これは、単純にサッカーの知識も広がりますし、また人脈といった視点でも大きなプラスになるでしょう。
僕も、最近ではバルサBの監督のエウゼビオとお話をさせてもらったり、グラウンドでパウロ・ソウザとばったり出会い話をさせてもらったことはバルセロナに住んでいるからこそできることだな、と思います。
その時のパウロ・ソウザとの話は、阿部勇樹選手の話題でした(二人はレスターで監督と選手の関係でした)。
「日本人選手は非常にテクニックが長けていて、とても働きもの」という評価から、「でも戦術的に足りない部分がある」という話にうつり、「ピリオダイぜーション」の話になりました。
彼はポルトガル人ですから、やはりそうなんだな、と。
また、海外では日本で会うことができない日本人指導者にも会うことができます。
Jリーグのトップチームに所属する指導者の方たちも海外に研修にくることは多いですから、そのような方たちのお話を聞くことができるという面もあります。
いずれも、日本では絶対に会う事ができない人とつながることができるという貴重な経験です。
ただ、上記の例は留学を超えて海外で生活する段階になったときに現れるチャンスですので、1年や2年で体験できるものとは言えません。
今日一番お伝えしたいのは、この部分で実はここからのお話です。
海外にきて体験するプロセス
皆さんは、海外留学をしたらどれくらいの時期にどれくらいの成果が出るのか?を考えたことはあるでしょうか?
海外留学ひとつとっても種類はいろいろです。
3か月くらいの短期留学、1年や2年の中期留学、はたまた5年を超えるような長期にわたる移住型留学など、種類はいろいろです。
ちなみに僕は5年を超える移住型留学に突入しました。
僕の視点では、なにかひとつのことを成し遂げるには「3年」が必要というのが目安であり、海外留学についてもそれは当てはまると思っています。
ヨーロッパのサッカーはシーズンで動いていますので3シーズンとも言えるでしょうか?
詳しく説明していくと、1年目というのは自分がどこでなにをしているのかほとんどわからないまま時間が過ぎていきます。
知らない土地、知らない文化、わけのわからない価値観、に触れ「すごいなー」とか「こんな世界があったんだ」と情報をインプットするのです。
起こることすべては新しいものでインパクトが強く、それが良いことなのか、正しいことなのか、の評価も下すことができないので「どこで何をしているのかほとんどわからない」といった表現をすることができます。
加えて、言葉もほとんどわかりませんから尚更です(笑)
僕も、バルセロナに来て1年目は語学学校に通いながらスペインという国、スペインサッカーを体験することで時間を過ごしていきました。
そして、2シーズン目を迎えると少し余裕が出てきます。
1シーズン目に体験したことと比較をしたり、少し予測をしたりしながらリアクションを取ることができるのです。
しかしながら、この段階でも「アクション」ではなく「リアクション」であることが多いと言えるでしょう。
なぜなら、1年目と同じような経験をしたとしても過去の経験を踏まえて「あー、これはこういうことなんだな」と新たな発見をすることが多々あるからで、そういった意味では能動的ではなく受動的な段階とも言えます。
そして2シーズンが経つと、2つの視点(1年目と2年目)から一つの物事を見ることで、その場の状況や自分の立ち位置が理解できるようになります。
ここまで来て初めてアクションを起こせる準備ができたといえる段階でしょう。
創ってきた人脈や、それまで発揮してきた自分の実力で、「自分が何かをする」というアクションを起こす可能性がある時期に差し掛かります。
スペインで指導者として言うのであれば、第一監督をするということになります。
初めて、責任を負う立場に身を置くのです。
そして3年目で自分の仕事をし、本当の意味で自分の価値を評価されることになるのです。
僕のケースでも、3シーズン目でエウロパのアレビンDの第一監督をさせてもらいました。
石の上にも三年
「石の上にも3年」という諺がありますが、よく例えられたものだなと思います。
ですから、留学の成果というのは3年目以降に現れるというのが一つの基準ではあります。
しかしながら、それまでの2年間というのは非常に大事でどっぷりと勉学に浸かり全身全霊に目的に対して労力を費やしてきたかどうかで3年目のチャンスに大きく影響を及ぼします。
言葉の壁、文化の違いによる苛立ち、考え方の違い、など自分を追い込んでくれる材料はたくさんあります。
それを乗り越えられるための強い意志を持ち合わせているかがとても大事であり、「それらの問題を通して自分が成長するんだ」と思っている人は大きく成長します。
FootBrainでも出てきた長谷部選手のように、「自己主張をしなければならない環境に身を置き、自分を成長させたい」というように人間性の持ち主であれば海外でのチャレンジは成功するでしょう。
近年は、ネットがありいつでも日本のテレビを見れたりしますから海外に居ながらも「引きこもる」こともできますし、バルセロナのような都市であれば日本人とばかり関わってしまって勿体ない時間を過ごすことができて、誘惑はたくさんあります。
大事なのは「海外に出ることではなく、海外で何をするか」なのですね。
そしてそのためには、「どういう自分であるか?」がもっとも重要なのです。
留学生活を通して人間として成長するというのはこういうことなのかもしれません。
僕も指導者留学の運営に関わる身として今回のFootBrainの内容な大いに共感できることがありましたが、それに加えてもっと深いこともありましたので今回はこのような記事を書かせていただきました。
大事なのはクオリティ
日本の外に出てみる、ということは今の時代では必要不可欠な経験だと言えます。
運営するPreSoccerTeamを通して、僕自身も留学生が最高の留学生活を送れるにはどのようなことが大事なのかをすごく考えさせてもらっていますが、日々起こる問題を通して成長していく姿を見ると嬉しいものです。
PreSoccerTeamという名前には『Pre』という単語が含まれていて、これは「準備をする」という意味です。
名前を決めるときに、「我々は将来サッカー会で活躍する人材を『育てる』=社会に出ていく『準備をする』手伝いをする」という思いを持ってこの名前に決めました。
先ほどお話したように、3年目でアクションを起こすためには、2年近くの時間を「準備」の時間にあてなければいけません。
PreSoccerTeamはその2年間を充実したものにするためのサポートを受けられるプログラムです。
サッカーのためのスペイン語、コーチングスクールの予備授業、充実したサポート体制で世界で例をみないサッカー指導者のための海外留学用プログラムとなっています。
http://ktsuboi.wix.com/presoccerteam-japan#!home/mainPage
サッカー留学も時代と共に変化しています。
海外留学をする人たちには、是非とも充実した時間を過ごしてほしいと思っています。
ただ海外に行くだけではなく、海外で何をするかといったように「クオリティ」が差を生む時代になってきているのです。
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